cellinteractive

2023.05.16 Blog

Awwwards Conference 2023 in Toronto レポート |前編

5月3〜5日に、世界で一番多くアクセスされているWeb制作のアワードサイト、Awwwardsが主催するカンファレンスがトロントで開催され、セルインタラクティブからは有志の7名で参加してきました。

 

今回はブログで特に印象に残ったものをいくつかピックアップし、前編・後編に分けてその様子をお届けします!

 

その前に

○Awwwardsとは?

世界中から投稿される屈指のWebサイトをデザインや実装の観点から評価し、コミュニティーに発信するアワードサイトです。

 

○Digital Thinkers Conferencesとは?

これまで東京やニューヨーク、ロンドンといった世界各地で実施されてきた当イベント。現地でのコミュニケーションを通じて人を繋ぎ、コミュニティーを発展させています。2年ぶりにリアルイベントとしてトロントで開催された今年は、初日のワークショップに加えて合計24のトークセッションが行われました。

 

 

 

Day1

会場に入ったらまずが自分のネームタグと、イベントグッズを受け取ります。エントランスで出会う世界各国からのイベント参加者の姿を見て、これからの一連の体験への期待感に胸が高まりました。

 

 

 

 

○Eyes Wide Open

by Isabel Moranta

モントリオールのデザイン会社LocomotiveでアートディレクターをされているIsabelさんによる、エモーションをデザインのツールとして用いる効果についてのトーク。プロジェクトで扱う事柄へのつながりをパーソナルなスケールの「感情」という接点から見つけることで、よりユニークでクリエイティブなアウトプットができる、とお話しされていました。

 

AIの導入により誰でも簡単にデザイン作りができるようになった昨今、人間にしかできないアプローチを使ってのデザイン、というのは他の方のトークでも何度かでてきたトピックでした。

 

イベント後に直接お話しする機会があったのですが、トーク前2週間ほど家にこもって準備をしていたそうです。やっとプレッシャーから解放された…とリアルな声が聞けたのも、現地に参加できたからこその楽しいポイントでした。

 

 

 

○Working Vs. Producing. The Difference That Changed My Life.

by Victor Work

クリエイティブデベロッパー兼デザイナーのVictorさんによる、クリエイティブと生産性についてのお話し。クリエイティブでありつつ生産性を高めるには?バランスよく休み、新しい人と交流し、外の世界(文字通りの、外)に出ることが大切だ、とのこと。

 

前進し続けるためにも、時には立ち止まって、寄り道したり休憩したり。そんな上手いバランスが取れる人こそ、効率よく且ついきいきとものづくりを続けられるのだな、と改めて普段の働き方を振り返るきっかけとなりました。今回トロントに来られたのは、確実に今後のクリエイティブの生産性を高めてくれることと思います。

 

 

 

○AI/UX: The Role Of UX Designers In Humanizing The Future

by Travis Neilson

YouTube MusicでリードUXデザイナーを務めるTravisさんによる、AI/UX 哲学についての内容。人それぞれ異なる経験や価値観と、機械的なAIとのギャップを埋めていくUXデザイナーが、双方の交流の仕方を導き、トレーニングする必要があるとしました。

 

AIのトレーニングにアートを用いることで、時代や土地を超えた人間の文化や価値を学習させることで、データによるインサイト以上の人間的経験を理解させることができるのではないか、と提言。

 

今の私たちの、AIとのコミュニケーションの取り方や扱い方が、未来においてAIの存在を左右するというお話しが印象的でした。

 

 

 

○Making Friends With Failure

by Diana Varma 

デザイン教育家のDianaさんは、絵文字のみ(!)で構成されたスライドで失敗と友達になる方法を紹介しました。

 

ステップはシンプルなこの2つ。

①Create a boundary(境界線を作る)

→失敗はプロセスだと受け入れ、パーソナルに捉えないようにする。

②Welcome it back and play as a team(チームメンバーとして受け入れる)

→大きなチャレンジ(=失敗したら大きなダメージ)に見えることを、少しずつ小さなチャンクに崩す。

→頻繁に繰り返す。

→失敗をサプライズと捉える。

 

トロント市内のいくつかの大学で講師をされていることもあり、さすがのトーク力で観客を引き込んでいました。「失敗こそが、私たちを人間にさせる。」と、強く勇気づけられる内容でした。

 

 

 

1日目終了

 

1日目のトーク終了後は自由参加の交流会にも参加しました。ついさっきまで登壇していた方々と直接会話し、質問できる貴重な機会でした。熱気溢れる空間で取り交わされるデザイントーク。国を問わずみんな悩んでいることは同じなんだな…ととても興味深かったです。この日の夜、密かに企画されていたVIPパーティーにも偶然招待いただき、いきなり大充実の1日となりました。こちらはトロントをベースに4カ国でビジネス展開をしているJam3オフィスで開催。Jam3の方は2日目に登壇されていましたので、後編にてご紹介いたします。

 

 

 

後編に続く。